ニチアサ感

およそ半年に一度繰り出されるアレだ!!

■HUGプリ

 5人いる必要ある……? って思い始めてきた。みんな良い子すぎるんだよな。5人で戦隊組むんならキワモノの存在は重要だと思う。去年はゆかりさんの不真面目さが強力なアクセントになっていた。

 薬師寺殿のリアクションがいちいちズレている描写はあるんだけど、脚本がそれを拾い上げたりしないので勿体ない。もっとデッド・オア・アライブカレーとか作って欲しい。

 今年の追加戦士はエミルチャンとルールーさんのコンビで、リスクを過剰に考慮してしまうエミルチャンと、リスクをドライに計算できるルールーさんの組み合わせは絶妙……と思っていたんだがわりと普通の良い子になってしまった。せっかくのマシンプリキュアなので最大限活かしてほしい。ロボキャラの真骨頂は自己犠牲精神にあると思うので最終的には自爆などが考えられる。絶対しないと思うけど。

 ところでののはなさんのおばあちゃんは腰を悪くしてもなお和菓子作りを続けるようだけど、どうせ謎の居候してるんならルールーさんが一緒に暮らす流れになれば良かったと思う。独居老人+AIという組み合わせはこれからの日本の基本単位になるはずだからだ。

 敵幹部のオッサンが出撃から5分で浄化昇天したのは笑ったし、翌週なんか感動的に改心復活したのはもっと笑った。5分しか出てない人にそこまで思い入れ無いから! カブトボーグじゃないんだぞ!

■ルパパト

 朝加圭一郎が朝加圭一郎すぎる。ホント良いキャラをしている。下手するとただの熱血おまわりさんとして「おのれ〜〜快盗め〜〜」っていうだけのポジションになりがちなところを好感度高いムーブでメキメキとキャラを立てている。ストーリーで引っ張る快盗、キャラ立ちで引っ張る警察、キミはどっちを応援する? どうでもいいけどノエルさんよりかいり君のほうがよっぽどアルセーヌルパンの末裔っぽい顔してるよな。

 快盗側の勝利条件は「敵怪人の持つルパンコレクションを回収する」で、警察側の勝利条件は「敵怪人を倒す」なので、警察側が「あえて怪盗にルパンコレクションを盗ませて怪人を弱体化させてから倒す」というソリューションがあることに気付いてしまった。協力体制マッタナシなのでは? と思ったがそれ以降使っていないので、おそらくルパンコレクションの単純所持も国際法に触れるのだろう。

 しかし肝心の玩具の売れ行きが笑い事でないレベルでヤバいらしい。警察と快盗で割れちゃったか。それともキュータマみたいなコレクションアイテムがないからか。キュータマやフルボトルは作中で使いこなせない量を出すんじゃないよと思ってるけど、VSビークル以外のルパンコレクションも光を当ててあげてはどうか。あれ過去戦隊のオマージュになってるのにいつも一瞬しか出ないので公式サイトを見ないとわからない。

http://www.tv-asahi.co.jp/lvsp/lupin-collection/

■ビルド

 実況で誰かが「ガバの片足が沼に沈む前にエモの片足で浮上する」と評していた。

 ビルド後半の脚本は本当にライブ感が強く、たぶん通しで見るといろいろな設定が破綻している。裏切ったと思ったら逆スパイだったとか、ラスボスが気軽に電話をかけてきて罠にかかるとか、「このパターン前もあったでしょ!?」みたいなツッコミを禁じ得なかった。

 だが毎週差し込まれる最強に熱い展開や大胆な方向転換に抗いがたい魅力があり、脚本のガバ部分が素早くエモで塗りつぶされ「まあいいか……?」となってしまうのですごい。この辺のパワープレイはカブトに似ている。

 最終回でアバンのあらすじ漫才を回収したのには思わず膝を打った。あのあらすじ漫才はシナリオがシビアなときも徹底してギャグであり、ギャグ要素をそこに集約することで、毎年ありがちな「シナリオ中に不自然に挿入されるギャグパート」を避ける効果があった(ヒゲの私服などいくつか例外あり)。あらすじ漫才が徹頭徹尾ギャグでメタだったのは、それが最終回後の平和な新世界で自分たちの活躍を記録していたからなんだよ、というフォローまで入って完璧に近い。これも細かいこと考えると破綻してるんだけど、「まあいいか……?」となってしまうパワーがある。

 テーマとしては「内戦」とか「科学の発展と戦争」とか、かなり具体的な、切り込んだ部分にスポットを当ててきたと思うんだけど、その解答は「ラブ&ピース」くらいのふわっとした部分に着地していった印象。そしてそのうちの「ラブ」を一手に引き受けていたのがカシラことカズミンであり、北都への郷土愛、農場仲間との家族愛、そしてなによりドルオタとしての推しへの愛を貫いていた。仮面ライダーではなかなか描きにくい「恋愛」をドルオタに担当させることによりギャグ時空に持っていったのが上手かったと思う。

 観てない人は「なんで!?」と思うところだと思うんだけど、主人公であるせんと君は、「悪魔の科学者」こと葛城巧の記憶を消して顔を整形した「作られたヒーロー」である。それが判明するころには、せんと君と葛城巧の人格はだいぶ異なっていた。そして終盤に葛城巧が記憶を取り戻して多重人格状態になった。普通こういうときって本来の人格を尊重するでしょう!? いつまでせんと君はメイン人格でいられるの!? と思っていたら最終回で葛城巧の人格は消えていった。おそらく新世界には葛城巧が無傷で存在するからだと思われる。ちゃんと納得できる理由で消えたのでよかった。

■ジオウ

 ンモーッ! 一話だからってCG予算を使いすぎよ! とくに恐竜のくだり要らんかったでしょ! ……時間移動ができることを子どもにわかりやすく示すには必要経費だったか?

 主人公がどういう奴なのかまだいまいち掴めない。王を目指すならキョウリュウジャーのキングとかフォーゼの弦ちゃんみたいな出所不明の圧倒的カリスマを出していかないとだめでしょ。大丈夫? でもなんかベルトくれた臣下みたいな人が過剰に盛り上げてくれるのでそのへんはなんとかなるのかな。

 ただ「王様になりたい=世の中を良くするには自分が統治するしかない」という思想はかなり尖っているので、そのうち何かしらのフォローがあるものと期待しよう。

 「今どこの時間軸にいるのか」がいまいち分かりにくかったんだけど、怪人は基本的に2018年の世界に登場することになるのかな。あの攻めたデザインの怪人が発表されたときの説明だと、それぞれの作品の作中時間で戦うような感じだったけど……。

 先週ビルドがライドウォッチを見つけたのがスカイウォールなしの世界だったのに今回はスカイウォールありの世界だったので余計にわからん。まあパラレルワールドとタイムトリップが一週間で衝突したら整合性なんてかなぐり捨てるしかない。

 さっそくファイズの二人がレジェンド参戦表明(第六話?)したうえ、主題歌がISSAだったため、銃で撃たれたときのエフェクトがΦだったのを深読みしてしまう。何か特別な関係があるのか? 今回タケル殿の力をもう使っていたけどゴースト回は省略されてしまうのか? なんか全体的に劇伴がゴーストっぽい曲調ではないか? 次回のビルド勢の扱い方を観てみないとなんとも言えないな。

 ジューシー小僧も初回からぶっ飛んでいて参った。

http://bandaicandy.hateblo.jp/entry/2018/09/02/093000

 俺は「普通のグミでしょ……ムムッ!!」のあと時計の針が高速で逆回転し、歴代ジューシー小僧の演出が次々と押し寄せ……みたいなのを予想していたのにまったく別ベクトルのウザさを追及してきた。また1年間よろしくな。