第3回南北首脳会議。「平譲共同宣言合意書」に署名 ( 政党、団体 )

「朝日」新聞(9月20日の 一面トップに「寧辺(ヨンピョン)核施設『米の相応処置あれば廃棄』/正恩氏、非核化巡り条件」とある。「今年3回目となる南北首脳会談を平譲で行った韓国の文在寅大統領と北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長は19日、米国が相応の処置をとった場合に北朝鮮寧辺核施設を永久廃棄することを盛り込んだ『9月平譲共同宣言合意書』に署名した」と報じた。「共同宣言」には、ほかに「○朝鮮半島核兵器と核の脅威のない平和の地に。○金正恩氏が近くソウルを訪問。○北朝鮮は東倉里のエンジン実験場とミサイル発射台を永久に廃棄。○2020年五輪に共同で参加」が主である。

 今年6月に米トランプ大統領北朝鮮金正恩労働党委員長の会談後、膠着状態になっていたが、その糸口が開かれたようとしている。金正恩氏が具体的に問題提起したから、トランプ氏がどう応えるかが問題だ。トランプ氏よ、具体的に回答せよ。

「共同宣言合意書」にある「朝鮮半島核兵器と核の脅威のない平和の地に」は実質的に朝鮮戦争終結を提起している。それにも米国がどのように応えるかが問題になる。トランプ氏は朝鮮半島の平和と非核化に明確な立場に立つべきだ。

 識者の中に「北朝鮮の提案は、米国の相当の処置が前提になっており、実際に核廃棄するのではない」との声が聞こえる。北朝鮮が米国の前で裸で両手を挙げおれという主張だ。一方的に北朝鮮が核廃棄すれば、北朝鮮に対する平和は誰がどのように保障するのか。交渉ごととして、北朝鮮の取った態度は当たり前のことだ。

 識者の中に「核廃棄の範囲が不明確だ」とも言う。不明確なればこそ、そこから交渉が始まるのだ。そのようなことも理解できない識者の経験と勉強不足は情けない限りだ。

 朝鮮半島の非核化は、東北アジア全体の問題でもある。早急に実現を期待する。