仏前が気になる母 - へなちょこかいご

彼岸の入りで、父の仏前もいつもよりにぎやかに。

そうなると母は気になって仕方ない。

朝備えた柿が、すぐなくなっていました。

母の部屋を見ると、ありました。

お盆でもお彼岸でも命日でも、

いつもより品数の多いお供えからいつの間にか取ったり食べたりするのは

もうあきらめましたが、

やはりちょっとがっかりするのです。

お供え取っちゃダメだよ、と言うと、

またいつもの取り繕い、言い訳が始まります。

今日は

「だって、柿が爆発するから置いてはダメってばあちゃんに言われたよ」

でした。

ばあちゃんとは、母の母。

ばあちゃんのせいにするにあたって、柿が爆発とは。

お墓まいりも済ませ、私は庭仕事。

切り上げて家に入ると、また仏前の柿がない。

今度は食べていました。

一応(?)言いました。

柿、食べたのね。

「食べた」

お供えを。

「お供えは下げていただくって習ったよ」

もっともらしいですが。

下げる時間が早い。

お供えの中から柿だけ。

台所にある果物やお菓子より、仏前が気になる。

柿が爆発するというのは、

仏壇のろうそくやお線香がもとで火事になったと見聞きしたニュースを

なんとなく覚えているんだろうか…とも思いました。

でも…

よくとっさに口をつくなあ。